Q21. ビブリオバトルを企画したいのですが、バトラー(本の紹介者)が集まるか、心配です。どうしたらいいですか?

A21-1.
まだ詳細が決まっていないという前提でお答えします。まず、イベント型(本の紹介者が聴衆の前に出て紹介するスタイル)ではなく、コミュニティ型(少人数でテーブルを囲んで、参加者全員が本を紹介し合うスタイル)か、ワークショップ型(少人数のグループを複数作って、それぞれのグループ内で、参加者全員が本を紹介し合うスタイル)のビブリオバトルを企画することをおススメします。

イベント型だと、大きなプレッシャーがかかるので、「バトラーをやってみよう」と思う人が少ないですが、コミュニティ型またはワークショップ型なら、2名〜3名程度に紹介するだけなので、バトラーがあまりプレッシャーを感じなくて済みます。

さらにイベント型だと、バトラーと聴衆が分かれてしまう(聴衆はバトラーにならない)ので、どうしても聴衆の参加意識がバトラーよりも低くなりがちで、参加者同士の一体感が生まれにくいですが、コミュニティ型またはワークショップ型なら、参加者全員がバトラーと聴衆を両方経験するので、初めての人同士でも一体感が生まれ、参加者の満足度が非常に高くなりやすいです。

次に、イベントの告知文ですが、

・「ビブリオバトル」「紹介したい本」「発表」などの文言はあえて前面には押し出さず、「少人数でワイワイ」「好きな本を教え合う」「楽しいゲーム」のような文言を使う
・本のジャンルは問わない。「マンガや絵本、写真集もOK!」などのように、「本」の固定概念を積極的に崩す
・ゆるくテーマを決める。たとえばテーマを『春』にして「タイトルに『春』が入っていなくても、あなたが『春』を感じる本ならOK!その本がどのように『春』なのかも、教えてくださいネ」などと告知する

以上のような方法が、より多くの人に参加してもらうためには有効なのではないかと、個人的には思います。

by 安部尚登








A21-2.
イベントで開催する際に、バトラーのエントリーは気になりますね。初めての開催、あるいは開催数がまだ少ない場合はなおさらだと思います。

私は中学校で中学生とおとなによるビブリオバトルを、生徒から3名、おとなは2名とだいたいの枠を決めて開催してきています。生徒からのバトラーは、生徒会や図書委員会所属の生徒に絞っています。

年度の初めは特にそうですが、ビブリオバトルを観戦したことがない生徒も多いので、バトラーを決める前に、ビブリオバトルってこういうものですよ、と事前に生徒会や図書委員会の集まるときに話をした上で生徒同士でだれが出るかを決めてもらっています。

おとなの方は、バトラーになってくれそうな人に声をかけています。毎回同じ人ではなく多くの人に本を紹介してもらえるように、今回は観戦、次回はできれば紹介、というような声かけです。

ビブリオバトルの終了時には参加者全員に記名で感想を書いてもらっていますが、感想とあわせて、次回も観戦したい、紹介してみたい、運営のお手伝いをしてみたい、などの意向もとっています。そういったものも次の開催の参考にしています。

回数を重ねるにつれ、本を紹介してみたいという生徒も増えてきて、生徒だけのビブリオバトルにも発展してきています。少しずつビブリオ・ファンを増やしていき、「自分も紹介したい!」と思わせるようにしていきたいですね。

by 東 雅宏